相続相談事例集

Q:遺言書の都合で公証役場まで行けないので、自宅や病院まで公証人に来てもらうことはできますか?

A:遺言者の都合で公証役場まで行けない場合、自宅や病院まで公証人に出張してもらうことは可能です。ただし、公証役場まで遺言者自ら出向く場合に比べて手数料や、管轄地域に注意が必要です。

今回は公証人に出張してもらう場合の注意点や流れについてお伝えします。

公証人へ出張依頼する際の注意点

①追加費用について

遺言者が公証役場まで行く場合に加えて下記が必要になります。

・公正証書作成の手数料増分
(公証役場に出向く場合の手数料の約50%が加算されます)
・公証人の出張費
・公証人の交通費

依頼する公証人の所属を確認する

公証人は所属する法務局の管轄内でのみ、業務を行うことができる旨が法令で定められています。
そのため、出張を希望する場合は、出張先の法務局の管轄に所属する公証人に依頼する必要があります。

③公証人へ支払う手数料は、現金で当日用意しておく

手数料は、基本的には証書の正本等を交付する際に現金で支払います。
ただし例外として、予め支払いを請求されたり、資力のないことが市町村長等の証明書により明らかな場合には、支払猶予が設けられることがあります。詳細は担当公証人に確認してください。

公証人出張の流れ

①事前相談をする

本人が出向けない場合は、代理人が公証役場へ行って事前相談をします。

②必要書類を揃える

詳細については、後述(公証人出張の前に用意する書類等)を確認してください。

③当日の流れ

(1)遺言書の内容を確認する
当日は証人2人の同席が必要です。証人と遺言者と、公証人で内容を確認します。

(2)署名・押印
内容に問題が無ければ、証人と遺言者が原本に署名・押印します。

(3)遺言公正証書の正本・謄本の交付

(4)手数料を支払う

公証人出張の前に用意する書類等

・遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
・受遺者の住民票

・遺言者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
・相続する資産の内容が分かるもの
(土地・建物の登記簿謄本、固定資産評価証明書、通帳のコピー、株・債権の証書のコピー等)
・証人が決まっている場合、証人の身分証のコピー

相談自体も電話だけでなく、メール等でも受け付けてもらえることもあります。
もし作成を考えている方は早めに相談してみてください

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