こっそり貯めていたへそくりで、まさかの相続税申告漏れが発覚

一般的に相続税は、相続人個々の税額が高いこともあり、所得税や法人税などと比べても税務調査が実施される割合(税務調査率)が高い傾向があります。そして、80%強と極めて高い割合で申告漏れが指摘され、追徴課税などの措置が取られています

なぜ、このような高い割合で申告漏れが指摘されているのでしょうか。
財産隠しをするつもりはないのに、申告漏れを指摘され、追徴課税などの措置を取られないために、どのようなものが隠し財産となるのかを知っておきましょう

隠し財産の申告漏れのパターン

①名義預金

例えば、子どもや孫の名義の銀行口座などで、父(被相続人)が通帳、口座印、キャッシュカードなどを管理している場合や、預貯金の贈与を受けた側がそのことに気付いていなかった場合は、「名義預金」とされるため、相続財産として加算されます。

「名義預金」の状態となっている場合には、たとえ贈与契約を締結していても贈与として認められません。贈与と認められないと、当然、暦年課税による基礎控除などの贈与対策が無効となり、贈与税の時効も成立しません。

「名義預金」とみなされないようにするには、口座名義人が自由にお金を引き出し、使用できる状態にしておくことが大切です。通帳、口座印、キャッシュカードなどを口座名義人自身が管理していれば、「名義預金」ではありません。

また、この他にも隠し財産として指摘が多い現預金として、いわゆる「タンス預金」なども挙げられます。封筒に入ったまま自宅に保管されている現金も相続財産なので、申告しましょう。

②株券や国債

証券会社や金融機関を通じての取引なら、それぞれで相続手続きを行えば、評価額の算定や相続による名義変更または解約をすることができます。

しかし中には直接、上場会社の株式を所有している方もいますし、現在は上場株式は電子化されており、紙の株券は発行されていませんが、以前に発行された紙の株券が出てくるケースもあります。

株券電子化の期限までに手続きが取られなかった株券については、上場企業が信託銀行で開設している特別口座で管理されています。その株券については、当該信託銀行に連絡をして相続手続きを行うのですが、その際に相続人名義の証券総合口座に移管する手続きが必要となります。
また、被相続人が会社を経営していて、「自社株」を持っている場合もありますが、これも相続財産に含まれます。

非上場株式の価値については、その会社の経営状況や資産状況により変動します。その計算方法は複雑な場合が多いので、具体的に把握したい場合は、会計士や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

③趣味で集めていた骨董品など

生前に被相続人が、趣味で収集していた高価な美術品や骨董品などは、価値が分かる人であれば鑑定が可能ですが、一般的には、相続人などが全く価値が分からない場合には、遺産として認識されずにそのままとなってしまうケースも多いようです。

実際に鑑定してみたら驚くほどの高値が付くこともあります。骨董品だけでなく、古銭や切手、宝飾品なども相続対象です。専門家による査定を行い、原則として査定額が課税対象となります。

④海外財産

税務調査を行う税務当局においても「富裕層」=「海外資産を保有している」との想定があり、年々調査が強化されている分野になります。

海外資産とは、海外不動産、海外の銀行口座、そこに振り込まれる生命保険金などを指します。毎年12月31日現在で、5000万円超の海外資産を有する場合は、税務署に国外財産調書の提出が必要となります。
ただし、被相続人および相続人の住所や国籍の有無により、一定の要件で海外資産には課税されない(国内資産にのみ課税)場合もあります。

隠し財産がないかどうか調べるべきモノや場所

申告漏れを指摘され、追徴課税などの措置を取られないために、親に隠し財産がないかどうか、念の為、家の中を隈なく探してみると良いかもしれません。

万が一遺産隠しの疑いが生じると、遺産分割協議が紛糾し、遺産分割調停や裁判に発展するおそれが高くなります。
また、相続税の虚偽申告にもつながるため、遺産隠しは絶対にしないようにしましょう。

【隠し財産が潜むポイント】

  1. 見覚えの無い銀行名の預金通帳
  2. 任意保険の契約書の写しや明細書
  3. 有価証券や不動産登記簿
  4. 退職金の退職金額計算書(または明細書)
  5. タンス貯金など現金のヘソクリ

もしも親が隠し財産をしていた場合、厳重に隠された財産を発見するのは難しいことが多いです。隠し財産を見つけることに躍起になるよりも、確実に取ることができる財産に焦点を絞り、遺産分割を行ったほうが取りこぼしを防げる場合もあります。隠し財産が銀行などに預けられている場合は、弁護士に依頼することで、財産が預けられている銀行などに対して照会を行なうことができます。

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