免許返納をめぐって、親といつもけんかに…もしものときにどうするの!
70歳、80歳を超えても車の運転をしている家族(親・配偶者)を持つ人は、「危ないのでそろそろ運転をやめてほしい…」「何かあってからでは遅いから運転免許を返納させたい…」と思っている方は少なくないと思います。
では、どうしたらスムーズに運転免許を返納させることができるのでしょうか?
運転免許を返納するメリット、親を納得させるコツを考えてみましょう。
運転免許を返納するメリット・デメリット
「運転免許を返納させたい」と思う家族の一番の理由は、「親の運転による交通事故の心配があるから」だと思います。しかし、「運転免許を返納したくない」と考える親世代の理由はさまざま。
以下に、家族が考える「運転免許を返納するメリットとデメリット」をまとめてみました。
ただし、家族が考える「運転免許を返納するメリットとデメリット」が、そのまま高齢で車の運転をしている人にとってのメリットとデメリットに当てはまるわけではないので注意が必要です。
運転免許返納のメリット
- 家族の運転による交通事故の心配がなくなる
- 車に乗らなくなる分、歩く距離や時間が増える
- 車も処分してしまえば、維持費(自動車税や車検、ガソリン代、駐車場代)がかからなくなる
運転免許返納のデメリット
- 買物や用事を済ませるのに時間がかかったり、荷物を運ぶのが不便になる
- その家族の趣味が車の運転だった場合、生きがいがなくなる
- タクシー代や電車、バス代などがかかる
運転免許返納の促し方
それでは、具体的にどのように促したら、家族が運転免許を返納してくれるのでしょうか?
下の3つのポイントを参考にして、進めてみましょう。
①誰か一人に任せきりにしない
家族に運転免許の返納を促す役目を、誰か一人に押し付けないことです。
例えば、父親が運転免許を返納するように、母親一人が促すだけで、その子どもたちは一切関わらないようでは、なかなか事は上手く運びません。母親が言ってダメなら長女、長女がダメなら長男…と、家族が一致団結して協力し合えば、「そんなにみんなで言うなら返納しようか…」となるかもしれません。いつも決まった人が促すのではなく、いつもとは別の人が促せば、気持ちが変わる可能性は高まります。
②説得する切り口を変える
高齢の親に免許返納を促す際に、「もう高齢だから」とか、「認知機能が落ちているから」という切り口で攻めるのはありがちです。しかし、プライドの高い親の場合、「年寄扱いするな!」と気分を害してしまう恐れがあります。
では、「車にかかる費用」という切り口で攻めてみてはいかがでしょうか。
自動車税や車検にかかる費用、ガソリン代や任意保険料、駐車場を借りている場合は駐車場代など、具体的な数字を出して説得の材料にするのです。さらに、自治体によっては、運転免許の自主返納をすることで、タクシーやバスの割引券配布などの優遇措置があるということを伝えてみましょう。
③生前整理の良さを伝える
生前整理は、その人にまつわる「物、心、情報」を整理することです。車の運転免許の返納も「生前整理のひとつ」。
過去の思い出や地位に執着するのではなく、現在に目を向け、現在にとって不要なものを処分することで、これからの人生を楽しむことに集中できるようになります。年々リスクが高まる車に高額な費用をかけるのではなく、これからをより良く生きるために使うほうが有益ではないでしょうか。
親への運転免許返納を促すコツ
OKワード・NGワード別に紹介します。
親への運転免許返納を促すときのOKワード
【OKワード】
- 車、私に譲ってくれない?
- 誰々さんが中古車を探しているらしいから譲ってあげない?
- 年金のうち●割が車の維持費になっているんだって
- 車、私に譲ってくれない?
- ここの自治体はタクシーやバスの割引券配布などの優遇措置があるらしいよ
- ●●さんも免許返納したんだって
- 今度ウォーキングに行こうよ
- ●●電車の車窓からの眺めがきれいなんだって。電車で旅行に行かない?
- 納得できてからでいいよ
親への運転免許返納を促すときのNGワード
【NGワード】
- もう高齢なんだから
- 認知機能が落ちているから
- 危ないからやめてよ
- 私たちに迷惑をかけないでね
- もう運転しないで
- いい加減にしてよ
- 車なんてもったいない
- 事故起こしても知らないからね