遺産分割

実家や土地を兄弟で分ける5つの方法と注意点

病院や介護施設の支払いや葬儀、仏壇やお墓などの準備…あれこれ慌ただしいのに、さらに、遺産分割協議?!
こんな時に遺産相続について考えるなんて罰当たりなのでは……そんな思いも重なり、多くの人が煩わしいと思うかもしれません。

一方で、相続税の納税期限は、相続開始〜10ヶ月以内と定められており、想像以上に時間はありません。

さらに、両方の親が亡くなり、自分が幼い頃を過ごした実家を分割しなければならない場合、煩わしさだけでなく、想い出があることから、手放したくないと考える人は少なくないでしょう。

こういった場合、兄弟間で意見が割れてしまい、遺産分割が捗らない場合が多くあります。
「実家、どうする?」…そんな話を兄弟で決めるとき、あなたならどうしますか?

兄弟で共有不動産(実家など)を相続する際の注意点

両親が亡くなり、相続人が兄弟の場合、相続財産は兄弟の共有状態で引き継ぎます。
共有の持分割合は、法定相続割合となるため、例えば3人兄弟で相続した場合には、3分の1ずつの共有持分割合で不動産を共有します。

一方で、これを放っておくと、兄弟の子どもの代の2次相続、兄弟の孫の代の3次相続により、共有者が雪だるま式に増えてしまう可能性が高まります

共有不動産は、「共有者全員の同意がないと売却できない」というルールになっています。

3人兄弟で1つの不動産を相続した場合、2人が売却に賛成したとしても、1人が売却に反対したら不動産を売ることはできません。2次相続、3次相続となり、共有者が雪だるま式に増え、多人数の共有物件となってしまうと、共有者全員の同意を得ることが難しくなり、売却しにくい財産となってしまいます。

多人数の共有不動産とならないようにするためには、相続後、兄弟間で話し合い、誰かの単独所有にするか、または処分(売却)しておいたほうが良いでしょう。

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兄弟で共有不動産(実家など)を分ける5つの方法

実家や土地などの共有不動産を分けるには、以下の5つの方法があります。

①遺産分割協議を行う

遺産分割協議とは、相続人同士で遺産の分割方法を決める話し合いのことを指します。
法定相続分と異なる割合で分割する方法には「遺言」と「遺産分割協議」の2種類があります。

両者の違いとしては、「遺言」は生前に遺産の分割方法を指定する方法であるのに対し、生前に分割するわけではない「遺産分割協議」は被相続人が他界した後に遺産を分ける方法となります。
遺言がない場合、もしくは遺言の内容が不服の場合には、遺産分割協議を行って遺産を分割します。

遺産分割協議については、特に行わなければいけないという義務はありません。また、期限もなく、いつ行っても良いというのが特徴です。

ただし、相続税を納める人は、相続税の納税期限が相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内であることから、
納税義務のある人は遺産分割協議を10ヶ月以内に終わらせることが望まれ、最終的には、合意した内容を遺産分割協議書と呼ばれる書面にまとめます。

②相続放棄する

相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を「一切受け継がない」相続方法です。

親が借金を抱えたまま他界した場合、相続放棄をした相続人は、一切の債務を免れることができます。
相続放棄は、被相続人の財産が明らかに負債の方が大きい場合に行われますが、親がプラスの財産を残していても、兄弟間の1人に資産を寄せたい場合に相続放棄が使われることも多いです。

相続放棄には、「手続きが簡便」「費用が安い」という2つのメリットがあります。
相続放棄は、相続人1人が単独で行うことができ、家庭裁判所に「相続放棄の申述書」を提出するだけ成立します。

③代償分割を検討する

代償分割とは、一部の相続人が財産を多く相続したことで不公平が生じた場合、その相続人が他の相続人に相応のお金を支払うことで調整する方法です。そのため、お金を渡す側の相続人に相応の現金がない場合は、実行することができません。

④換価分割を行う

換価分割とは、遺産を売却して得た現金を相続人同士で分ける方法です。不要な土地を相続した場合には、換価分割が一番現実的で公平な分割方法となります。

ただ、遺産が親の自宅の場合、相続人のうちの誰かが「住みたい」というケースがあり、相続人が必要とする不動産の場合、売却という選択ができないため、換価分割ができません。

⑤分筆による現物分割を行う

分筆とは、土地を切ること。分筆による現物分割とは、土地そのものを物理的に分ける方法です。

分けても利用価値のある広い土地であれば、兄弟で分筆しても利用価値がありますが、分筆して小さくなってしまう場合、価値を落としてしまう場合があります。現物分割は、分筆した後も利用価値があるかないか、売却できるかどうかを考えてから行うと良いでしょう。 また、分筆の際には土地家屋調査士という専門家の方への依頼が必要です。

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