残された遺族の生活を保障してくれる「遺族年金」
疾病や負傷によって、不幸にして亡くなった場合に、亡くなった方の年金受給権を遺族が引き継ぐといった形で、その遺族などの生活保障として「遺族年金」が各制度から支給されます。
あくまでも遺族の生活保障という意味合いの年金ですので、遺族には一定の要件があります。家計を支えていた世帯主を失い、子供を養育している妻には手厚い制度であったり、残された18歳未満の子供には加算があったりします。
また、本人が自身の老齢年金や障害年金を受給する事となった場合には、支給停止となることや、併給されても制限を受けることがあります(1人1年金の原則)
併給の場合には、遺族自身の選択によって、より有利なものを選ぶことができるようになっています。 ここでは、遺族年金の種類について見ていきましょう。
遺族基礎年金
国民年金からの支給です。一定の要件を満たした被保険者や老齢基礎年金の受給権者が死亡した場合に、その者の「子のある妻」又は子に支給されます。 年金額は、792,100円+子の加算額。(平成19年度)
寡婦年金
国民年金からの支給です。1号被保険者の夫が、老齢基礎年金を受けることなく死亡した場合に、「子のない妻」(65歳未満)に支給されます。 65歳からは妻自信の老齢基礎年金が支給されますので、寡婦年金は支給されません。年金額は、死亡した夫が受け取るはずの老齢基礎年金額の4分の3に相当する額。
死亡一時金
国民年金からの支給です。1号被保険者であった者が、年金を受け取ることなく死亡した場合に、遺族に支給されます。
遺族の範囲は、生計を同じくしていた、配偶者 – 子 – 父母 – 孫 – 祖父母 – 兄弟姉妹のなかで、先順位のものに支給されます。寡婦年金を受けることができるときは、選択により一方が支給されます(両方支給されますことはない)。
死亡一時金の額は、保険料の納付期間により、120,000円から320,000円の範囲で支給されます。
遺族厚生年金
厚生年金保険からの支給です。厚生年金保険の被保険者又は被保険者だった者が死亡したときに、その遺族に支給されます。
遺族の範囲は、死亡した者によって、生計を維持されていた、配偶者子 – 父母 – 孫 – 祖父母で、先順位のものに支給されます。年金額は、死亡した者の老齢厚生年金の額の4分の3相当額。